かつて「五島うどん」は、島という地理的な条件ゆえに本土に出回ることが殆どなかった。それが、食通人をして「五島うどん」を「幻のうどん」と言わしめたゆえんであるが、国民的食ブームの到来とともに1980年代後半より百貨店が催事の目玉として地方の物産展を定期的に行うようになったことで、島において地産地消あるいは、わずかな量がお土産品として流通するに過ぎなかった「五島うどん」に光が当たることとなり、昨今、香川の讃岐うどんや秋田の稲庭うどんと並び称されるという嬉しい評価も頂戴している。その特徴は「細麺でコシが強く、煮込んでも煮崩れせず、風味豊か」で、潮・光・風の恵みを受けて長い年月引き継がれた麺作りの技は、五島の四季風土が産み出したスローフードの代表格。